\ ゆっくり見てってね〜 ٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ /

【小説】スポットライト(仮) ※執筆中

はじめに

まず本書を手に取ってくださり、感謝申し上げます。本書は「気軽に読んでほしい」「その上でSe-yaのことを知ってほしい」という想いで執筆した小説のため、短時間で読み終えれる作品にしています。本書の特徴は下記の通りです。ぜひご参考ください。

  • 初めての書籍作品 (処女作)
  • 本ブログ限定で公開している「電子書籍」
  • 著者の人生30年を元にした「青春小説」
  • ノンフィクション80% / フィクション20%
  • Se-ya ASMR活動の起源がわかる

人物名や企業名などの名称はすべて改変しているため、実在の人物・団体とは一切関係ありません。また、主人公以外の登場人物に関しては人物像を大きく改変している場合があります。

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 第2章 第3章  第4章  第5章  第6章
 第7章  第8章  第9章  第10章  第11章
 第12章  第13章  第14章  第15章 …


プロローグ

この物語の主人公
己無 星夜 (おな せいや)

生後10ヶ月という若さで、命の危機が訪れる━━━━━。

1月17日(火)早朝5時47分頃
未曾有の大災害が、川の字で寝ていたとある家族を襲った。

悠々たる面持ちで眠る赤ん坊とは裏腹に、明らかな異変を察知した両親は即座に覚醒した。頑丈とは言い難くも、築浅で決して脆くないはずの我が家が大きく揺れ動き、キーキーと軋みをあげている。両親は動揺を隠せるはずもなく、軽いパニック状態に陥った。

しかし幸いなことに、次第にふたりの頭は冴えてきた。22時には就寝していたことで、しっかりと休めていたのだ。ごーごーという地鳴りの迫力は絶大で、ガタガタと揺れ動く家具たち、ガシャンと棚から飛び降りた食器たちが命の危険を知らせてくる。

「ガスは閉めてる!」

昔からガスの元栓を気にしがちだった母は、父にそう叫んだ。父は仕事カバンの中からヘルメットを取り出し、母の言葉に頷きながら返答した。

「お前はこれで頭守れ!」

ヘルメットが星夜の頭上を右から左へ通り過ぎ、母がそれを手にした瞬間。

あれは、突然やってきた・・・

現代では、震度5以上でガスを自動的に止めるセンサーが搭載されてるようです。もしあなたの元に地震が来たのなら、まずは頭を守って姿勢を低くし、身の安全確保を最優先にしましょう。


第0章|己無 星夜

1994年3月2日


日本中の神々が1つのベッドに集って眠る街「神ベ / Kobe」に新たな命が誕生した。

1994年3月2日
日本中の神々が1つのベッドに集って眠る街
「神ベ / Kobe」に新たな命が誕生した。

氏名:己無 星夜 / Se-ya Ona
性別:男性 / Male
産声:ほぼ無し
体調:とても健康
目つき:わるい
出生体重:4545g

「こんなに健康で、こんなに態度も大きな赤ちゃんは初めてです」と、少し若めの担当助産師に言われた両親はなんだか誇らしげだった。特に父は、己無家の家業を継ぐ存在が生まれたと、病院中で騒ぎ立てる程だ。

星夜が生まれた夜は、珍しく星が綺麗に眺望できたようで、元気できらめく姿がいつまでも続くように、という意味が込められているらしい。

※イメージイラスト

こうして星夜は己無家に生を受け、間もなく体調が回復した母、浮かれ気味の父の3人での生活が始まった。


第1章|己無家

出産・退院を機に賃貸契約したアパートは、築浅で丈夫な造りだったが窮屈だった。

大工のひとり親方を始めて3年ばかりの父は、車内に入りきらない工具類を自宅に持ち帰るのだが、繁忙期はそれらを廊下に置きがちだった。星夜に危険が及ぶような状態では置かれていなかったものの、母との事前の約束「仕事道具はすべて押入れの中に」の件で、両親はしばしば衝突していた。

父の言い分としては「押入れが狭すぎる」らしいが単なる横着だ。理想のマイホームの購入を目的に、双方合意の上で一時的に家賃を節約した結果が今のアパートらしいのだが… 元も子もない状況である。

とは言えアパートの内見は「育児を担当するのは私」ということで母主体でおこなわれ、父が約束するに至った判断材料は、母の言葉と、間取り図だけだった。

このふたりは衝突すべくして
激突しているのである。

出産前までの両親は「父:一人暮らし」「母:実家暮らし」で、これといった衝突はなかったらしい。星夜が生まれて3人での暮らしが始まり、一人きりになれる完全プライベート空間が失われたことで、両親の心の余裕はすり減り始めていたのだろう。

こうして決定打になるような大きなトラブルはないまま、両親は地道に互いの心を削り合った。結果、9年半に及ぶ時間をかけて、己無家の歴史には大きな区切りがついた。

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